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まずはもう使い物にならない左腕を切断し、精製したアルコールを使い消毒をする。
止血、疑似的な皮膚を作るシール……
火傷用軟膏を幹部に塗布し、顔と肩の切断面を包帯で巻いて終了。
あとは皮膚の精製を促進する薬を飲ませるだけ……
「き、こ、のガキがァア!!」
「うわっ!!」
突然目を覚まして僕に襲い掛かってくるものだから、驚いて飲ませる筈の錠剤を落としてしまう。
「シリカ!」
心配だからと見守っていた村人とレオンがマリクさんから僕を庇った。
「ハァ……ハァ……!!」
血走った目を辺りに向けるマリクさん。
「何?この騒ぎ?」
とうとう起きてリビングへ来たエミリを見付けたマリクさんがエミリへ飛びかかる。
「この悪魔がぁ!!忌み子が!!お前が帰ってきたからだぁあああ!!」
「え?」
ブチッ!
「いい加減にしろ!!」
僕はマリクさんの髪を掴んで無理矢理引き剥がして、その首筋に護身用の睡眠薬の入った判子注射をぶっさして眠らせる。
「……連れて行ってください。あと、エミリにその人を近付けさせないでください。いいですね?」
「お、おう」
村人はマリクさんを連れてユミルさんの家から出て行った。
「エミリ、大丈夫?」
「平気よ」
まるでさっきの事を意に介していないのか平然としている。
「……お前、本当にエミリか?」
レオンが何か険しい表情をしたままエミリに向かってとても失礼な事を言い出した。
「レオン、何変なことを言ってるの?エミリはエミリだよ。ね?」
「うん。レオン、何か変よ」
「……」
レオンは何か腑に落ちない顔をしながらも、畑仕事があるらしいので家に帰って行った。
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