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「さて、客人。まずは貴公を王宮内まで送ろう」
「すまない」
先ほどと同じように、馬に二人乗りする。
「しかしなぜ城外に?」
馬上に揺られながら、将軍が訊いてきた。
敵は騎士団が戦っている場所に集まっているようで、二人が移動している辺りには暗い表情の町民らがちらほら見えるだけだ。
「好奇心さ。魔物というものを見てみたかった」
「アメリカ人が魔物を知らないと、そんな話が信じられるか。
むしろ、貴公がアメリカ人かどうかも分からん」
「どう思われていようと興味はない。
だが魔族を見たのは本当に初めてだ。もっと言えば、アンタらみたいな騎士も見たことないよ。
俺が住む世界では騎士も魔族も魔術も、すべてが物語や歴史書、聖書の中だけの話だった」
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