♯2

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…   …   王宮内。   聖堂。   「ばーっかもんっ!!お主、自分の命を何じゃと思うとるんじゃ!」   大司教の怒鳴り声がよく響く広さだ。   「…」   ウィリアムは至近距離で大司教の唾を浴びながら耳を塞いでいる。   「ウィリアム!聞いておるのか!お主は国をあげての調査の要となるのじゃぞ! それまでは軽々しく危険地帯に飛び込んだりせぬことじゃ!」   「まだ調査団の編成は決定事項ではないだろう… それに、勝手に祀り上げてもらっちゃ困る。アンタらがアメリカに興味を持つように、俺だって目新しい世界を見たい衝動は抑えれないぞ」   「ええい!口答えするでない! 軟禁されたくないなら、客人らしく大人しくしておらぬか!」   「まったく…」   どちらが正しいとも言えないので、ため息をついてタバコをくわえる。
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