♯2

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「客人。大司教」   いつの間にか将軍の姿があった。 金色の甲冑には無数の刀傷がついている。激しい戦いだったのが感じられた。   「タルティーニか。かなりの損害のようじゃな」   運び込まれた遺体はすでに五十近くになる。   「まだ行方不明の兵士が数人おる。ここに並ばなければよいが」   「姿が無ければ魔物に食われておるやもしれぬ。誠に酷いことじゃ… して、奴らは?」   「空間転移らしき魔術で帰還していった。 倒していた魔物の死体は、その頃にはいつものように灰と化した」   魔物は死亡してしばらく経つと消失するらしい。   「ベレニーチェは嘆くであろうな」   死体を掃除する手間は省けるだろうが、研究者には痛い。   「研究材料か。 いつだったか、あの女も生け捕りが欲しいなどと無理な話をしていたな」
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