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「それが…アンタがアメリカ大陸調査団の編成を反対する理由か」
「無論だ。調査団が無意味だとは言わん。
だが、こうして国防さえままならない時に、資金や人員を割かれる事に納得いかんのは貴公も理解できよう?」
「確かにな…」
これにはウィリアムも返す言葉がない。
燃える街、斬られる手足、食われる人…何より目の前の死体の山を見て、はるばる旅をする余裕があるとは思えない。
「大司教」
「んん?」
「俺は俺でアメリカへ渡る…と言いたいところだが、この国を見捨ててはおけん。
何か力になれればイイんだが。もちろん後々にアメリカ大陸調査団を作るって話が前提だがな」
大した義理は無い。しかし、ウィリアムはそう決断した。
「イタリア王国を強固にし、必ずアンタらとアメリカへ渡る」
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