第1話

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午後5時。 僕は保育園のみんなと一緒に遊びに来た。 お母さんが来るのは、いつも遅くて、6時ごろになる。 みんな、どんどん帰って行っちゃう。 そして、僕はいつも一人になる。 今日も同じだった。 5時20分頃から、だんだん人が少なくなっていった。 僕は、いつもの事だけど、いつもの事なのに、 寂しくなっていた。 きっと、それで、そのせいで、   僕は間違えて、カギを開けてしまったんだ。 …みんな、    止まった。 「      !」   大声をだして叫んだ。 だけど、声が聞こえなくて。 泣き叫んだ。 たくさん、静かに、泣いた。 とても時間が過ぎた         …? しばらくして、みんなが動いた。 何かに驚いた。 僕も驚いた。 それは、多分、さっき泣いた僕の声。ものすごく圧縮されていた。一瞬だけど、聞こえた。 みんなが僕の方を見る。また驚いている。 みんな、僕の泣き顔を見ていた。 またしばらくして、おかあさんが来た。 いつもより来るのが遅かったな。と思ったけど、時計を見るといつもより早くて、まだ6時45分になったところだった。
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