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「授業中に少なくとも一度は質問、または発言をすること。
教師に指名された場合はカウントしないよ。」
「...あの、失礼ですが意図がまったく見えないのですが?」
何かの際に教師や委員会の補助にあたるとか、何かしらの仕事を請け負うとか、学園に貢献するものではないのか?
「これは、主に教師陣の質を維持、または高めていくためのものなんだ。
自ら疑問を抱く生徒を受け持たなければ、生徒に教科書の内容しか教えられない授業をしがちだからね。
勿論特待生自身の意欲を高めるためでもある。」
「なるほど、分かりました。」
本当にその程度の事でいいのかと疑問に思うほど簡単な条件である。
(授業内で取り上げたなかで少し掘りさげれば十分でしょう。)
「他には──
そのあとも長々と説明は続いたが要するに
・生活態度は一般生徒の見本になるように。
・試験では10位以内に入ること。
注意事項はその程度で、後はクラスに馴染めるように頑張れと言うことだった。
どうやら入学式から未だ一週間ほどしか経っておらず、この時期に編入する例は珍しいとのこと。
(規則が決まったのが一昨日では仕方ありませんが。)
──制服と教科書は後で部屋に届けるから、カレストさんは戻っていいよ。」
「はい、失礼しました。」
アイは静かに退室した。
シェルダン魔法学園理事長ドニー・シェルダンは一人呟く。
「ギルドマスター直々の推薦、ランクはA。
名門校と名高いうちの編入試験を楽々クリアとは、優秀、優秀。
加えて魔力量も平均を大きく超えている。
...文句のつけどころもない、特に感じることもないが、ファールの推薦だからね。何を抱えてても不思議じゃないかな。」
万が一総帝であるなどと知れれば混乱を招くことは必至。
そのため、アイは魔力量は勿論試験の解答、実技での動き等々、諸々のセーブをしていた。
理事長がそれに気づくことはなかったが。
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