幸せ

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「とりあえず、真桜の両親に土下座しなきゃね。まだ学生の真桜を妊娠させちゃったんだから。」 「…そんなこと言って……確信犯のくせに……。」 「ん?何か言った?」 「ううん、沖田さんが大好きだって言ったんです。」 「………。」 沖田さんは黙って私の頭を撫でる。 「…早く…早く真桜をあの両親から離したかったんだ。」 「子供ができれば真桜を貰うことができるでしょ。真桜と一緒にいるために既成事実ってやつが欲しかった。」 「…沖田さんは優しいですね。」 「優しくなんてない。僕は真桜の行動ひとつで善人にもなれるし、悪人にもなれるんだ。」 「真桜のためなら汚いことだって平気でできる。」 「じゃあ、私は沖田さんにそんなことさせないようにします。」 真桜がニッコリ笑って言う。 「……その顔、僕以外の男に見せないで。特に兄さんには絶対に!!」 「どんな顔ですか?」 真桜がキョトンとした顔をする。 「もう、だから僕はいつも心配しなきゃいけないんだ。……真桜、キスしてもいい?」 「でも……。」 「今度はさっきみたいに乱暴にはしない。優しくするから。僕に風邪うつして早くよくなって。」 「じゃあ、少しだけなら……。」 そう言うと沖田さんは私にキスしてくる。 優しくするって言ったのにそれは荒々しく激しいキスで……。 「嘘つき……。」 私が小さな声で呟くと、沖田さんは満足そうに微笑む。 「もう沖田さんには敵いません。」 「それは逆。僕が真桜に一生敵わないんだよ。」 そう言うと沖田さんは私の頬、耳、首筋に吸い付くような口づけをしてくる。 「…っ……っ……」 「…もう止めてください。」 「ふふっ、聞こえないよ。」 ―ハッピーエンド?―
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