桜の約束～沖田編:現代～

幸せ

「……もし、もし栄太郎が生まれ変わっていたとしたら沖田さんはどうしますか？」

「吉田が？生まれ変わってるの？」

沖田さんの目つきが変わる。

「……はい。私たちのすぐ近くにいます。」

「……誰？教えて……。」

「……栄兄さんです。」

「兄さん!?」

「……真桜、真桜はそのことを知ったときどう思った？」

「…生まれ変わってきてくれて嬉しかったです。生きていてくれるのが嬉しかった……。」

「でも、正直どうしていいのかわかりませんでした。今は沖田さんのことを愛しているから……。」

「そう……。」

沖田さんは何か考えているみたいだったけど、すぐ視線を私に戻した。

「…真桜は吉田のことまだ愛し……」

「はい？」

沖田さんは何か言いかけたけど、途中で話すのを止めて私を強く抱きしめた。

「いや、いい……。もう僕の答えは決まってるから。真桜は僕のだ。絶対に誰にも渡さない。」

「たとえ兄さんにでも。兄さんが吉田でも……。」

「………。」

「……沖田さん、これから先、私が栄太郎を選ぶことはまずないです。」

「えっ？」

私の答えに驚く沖田さんに、私は今まで言えなかったことを思い切って言うことにした。