始まりを告げる歌

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「わかりました。すぐに行きます」 電話越しだけど琴音さんがいつもみたいに余裕があるような感じではなかった。オレが行ってどうにかなるかはわからないが早めに行っておくことには越したことはない。 オレが教室を出ようとしたら一人の女子と遭遇した。音楽を聞きながらだったからオレのことには直前まで気づいていなかった。 「明日香おはよう」 「光ちゃんおはよう。なんか急いでるみたいだけどどうしたの?」 「ちょっと琴音さんに呼ばれたんだ。何があったのかは知らないけど早めに行かないと大変なことになりそうだからな」 「それは朝からご苦労です。あたしは自分の席でゆっくりとしてますよ」 「ゆっくりとするんじゃなくて勉強でもしてろよ。今日現代文の時に小テストがあるぞ」 「ふふん、明日香様は今回の小テストは自信があるんですよ。昨日詩原先輩に勉強を教えてもらったからね」 詩原先輩に教わることは結構なことだけど一日やそこらでテストの点数が上がったらみんな苦労しないんだよ。
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