始まりを告げる歌

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「琴音さん、光輝です!!」 「入ってきていいわよ」 「失礼します」 明日香と別れてから急いで来たから誰にも会わなかったんだが汗が止まろうとはしない。さすがに走ってきたからしょうがないか。 理事長室に入ると朝から大量の書類と向き合っている琴音さんがいた。父さんと母さんの親友で二人と同い年なのになぜか見た目と年齢が一致しないくらい若さを保つ人だ。 間近で見ると本当に父さんと母さんの同級生なのかって思ってしまう。 「光輝朝から呼び出して悪かったな」 「もしかしてこの大量の書類を手伝わせるために呼んだんですか?」 「いや、そうじゃない。ここにある書類は光輝が片づけられるような簡単なものでないしそれに理事長の判子が必要なものばかりだ。だから光輝にはさせられない」 「じゃあオレを何のために呼んだんですか?」 「それはすぐにわかることだ」
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