始まりを告げる歌

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琴音さんは少しだけオレのことを見たらすぐに書類に目を通し始める。とりあえずオレは必要となる時まで待ってないといけないらしい。 琴音さんの邪魔をしないように理事長室にあるソファーに座って壁にかかっている歴代の理事長の写真を見ることにする。 当然のごとく琴音さんの写真も飾ってあるが明らかに他の理事長達よりも若い。琴音さんが本当に同じ理事長なのかと疑いたくなるくらいだ。 「光輝はコーヒーと紅茶のどちらが飲みたい?その二つが飲みたくなかったらイチゴミルクみたいな他のやつでもいいぞ」 なんでそこでコーヒーと紅茶以外の例でイチゴミルクが一番先に出てきたのかが気になったがそれを言ったら何も飲ませてくれなそうだ。 「紅茶でお願いします」 無駄なことを言って琴音さんの機嫌を損ねるよりも無難なものを頼んでおく方がいいに決まってる。 「紅茶か。よし、すぐに用意させよう」 チーン!! 机の上にあった呼び鈴を鳴らすといきなり理事長室の扉が開かれメイドさんが現れた。こんな人は見たことが無かったけど新しく雇ったのか? 「琴音様御呼びでしょうか?」 「紅茶を二人分欲しい。急がなくていいから頼めるか?」 「畏まりました。すぐに御用意いたします」
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