教師と生徒

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車内はオレと桜ちゃんの笑い声で響き渡っていた。今はこれが一番楽しい時だったのかもしれない。 「あっ、食材買いたいからちょっと寄り道していっていい?」 「オレはいいですけど大丈夫ですか?桜丘学園の関係者に見られたりしたら大変なことになりませんか?」 「ここは桜丘学園の学区外なの。電車だと回り道になるから通学するのに時間がかかるよ。それにここら辺は教師でも私くらいしか住んでないからばれることはないよ」 「そうだったんですか。じゃあなんで桜ちゃんはここに住んでるんですか?」 「そんなの決まってるじゃない。誰もいない方が住みやすいじゃない。仕事以外で知り合いに会ったら疲れるじゃない」 桜ちゃんらしい理由だと思った。確かに仕事以外で知り合いに会うとなると休みたいのにやすめなくなるじゃないか。それはさすがにごめんだな。 そういうことは桜ちゃんと同じ気持ちかもしれない。 「じゃあ一緒に買い物しましょう」 「おっ、やる気になったね。よし、食材を買いに行くよ!!」
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