教師と生徒

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「おっ、お姉さん今日は弟と買い物かい?」 「いえ、自分はおと「そうですよ。弟がどうしても私の料理を食べたいって言うもんですからね」 「そうか。なら、いっぱい食べて大きくなってもらってお姉さんを守ってやらないとな。よし、これはおまけだ。持っていきな」 「ありがとうございます。ほら、お礼を言わないと」 「ありがとうございます」 「気にするなって。残り物で喜んでくれるならこちらもあげたかいがあるからな。弟の方もお姉さんを見習ってしっかりするんだぞ」 肉屋の通り過ぎたオレはどうして肉屋のおじさんに嘘をついたのかが気になった。確かめてみるしかないな。 「桜ちゃんはどうしてあそこでオレが弟って嘘ついたんですか?」 「だってここで教え子ですって真面目に答えたら大変じゃない。肉屋のおじさんは私が教師だって知ってるから噂となって広まる可能性があるから仕方ないのよ」 あっ、そういうことかって気づいたのは桜ちゃんに言われてからだった。単にオレと一緒にいるのが恥ずかしいからって思ったけどそうじゃなかったみたいだ。 なんかそれだけのことなのに嫌われてるわけじゃないってわかると安心した。 うん?なんでオレは安心したんだ?
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