教師と生徒

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落ち着くんだ。落ち着けばいつも通りに会話することができる。自分を信じるんだ。 「さ、さ、桜ちゃん、どうしたの?」 「光輝君こそどうしたの?なんか変な感じがするけど………」 「そ、そんなこと、ないと信じたい………」 「まぁ、光輝君が変なのは初めてじゃないから気にしないでおくわ。それよりちょっとこれを味見してほしいの。光輝君好みにしたいからちゃんとした意見が聞きたいからね」 目の前に出された物を受け取るとすぐに味見してみる。うーん、このままでもいいが少し薄いかもしれない。もう少し濃くしても大丈夫そうだな。 桜ちゃんにそれを伝えようとした時にあることを思ってしまった。なんかこのやり取りって家族みたいだなって。 「家族!?私と光輝君が家族なんて………」 あれ?おかしいぞ。なんで桜ちゃんがいきなりオレの考えていることがわかっちゃったのかな?さすがに今回は考えが読みやすくない表情だったと思うんだけど。 あっ、もしかしたら今のこと声に出してたんじゃないか?
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