勘違い

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桜ちゃんの家で食事をした日から二週間以上過ぎたが特に桜ちゃんとの接し方が変わったわけでなく今まで通りの教師と生徒の関係のままだ。 栞さんはあの日以降桜ちゃんとのことは何も聞いてこなかったので桜ちゃんの家でのことを話さなくてよかったので精神的に疲れることはない。 毎日普通に過ごしているオレは休みの日に桜ちゃんからヘルプ部に依頼があって桜丘学園の倉庫掃除をしている。もちろん一人だ。 他のメンバーは決してサボってるわけではない。桜ちゃんからの依頼は二つあってもう一つの方にヘルプ部の女子全員が担当することになったからだ。 依頼の内容は近くの公民館で開かれている催し物の手伝い。受付したり、案内したり、会場を盛り上げたりなど明らかにこちらよりも忙しいこと間違いない。 薫先輩は記録係として公民館の方に行ったし、順平は妹三人の面倒を見ないといけないから今日はヘルプ部には顔を出さない。桜丘学園の倉庫掃除にはオレしかいない理由はこんなものさ。 普通の倉庫掃除なら一日あれば余裕で終わると思えるが桜丘学園の倉庫はかなり大きい。中に入っているものを出して掃除して戻すとしたら一人だと絶対に終わらない。 やる前から負けがわかっている状況だ。それにどう立ち向かうかはオレの力が試されるところだな。
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