一心同体

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「ただいまー。」 声を掛ける。 奥からパタパタと音がして、ママが出てきた。 「こんにちは。」 護君が挨拶した。 何か、ママと護君が挨拶なんてドキドキするな・・・。 って、まだ会ったばっかりで、これから大事な話をするってのに。 挨拶だけで緊張してたら、先が思いやられるじゃん・・・。 「いらっしゃい。どうぞ上がって。」 よそ行き声のママ。 男の子が家に来たことなんて無かったもんね。 フフ。 ママ、もしかしたら私より緊張してるかも? そう思うと気が楽になった。 護君とリビングに上がるとソファーに座るパパ。 「こんちには。」 座りながら挨拶するパパ。 を見て固まる護君。 こっちを見て・・・。 いや。分かる。 分かるよ。言いたいこと。 うんうん。 だってね。 そりゃ驚くよね。 私とパパ。まるっきり同じ顔だもんね。 背も小さいからね。 威厳が無いなっていつも思うんだ。 「こ、んにちは。」 護君は眼を見開きながら挨拶した。 「黒崎 護です。本日は急に伺ってすみませんでした。」 気持ちを持ち直したのか綺麗なお辞儀をした。
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