一心同体

23/26
前へ
/283ページ
次へ
「来週、部屋見に行こ?」 「・・・うん。」 「先生が気に入る部屋がすぐ見つかるといいね。」 「・・・うん。」 「決まったら、すぐ引っ越して一緒に暮らそうね。」 「・・・・・・・う・・・・ん。」 「それで・・・大学卒業したら・・・・。」 ・・・・。 そと後は覚えていない。 瞼が重くて開けられなくて・・・。 温かくて・・・気持ち良くて・・・・。 ふわふわしたまま眠りについた・・・。 朝。 身体を包む柔らかい温もり。 眼を瞑りながら、もっと温もりを求めて頬を擦り付ける。 いつもの大好きな匂いと温もり。 大好きな身体にもっと近づきたくて、自分の腕をその背中に回す。 ふわっと唇に感じる柔らかい感触。 「おはよ。」 聞こえる大好きな声。 だから、「大好き・・・。」 って自然と零れる。 「オレも。」 私の左手の薬指に柔らかい感触。 珍しいな・・・。 薬指にキス。 うん? 急に感じた違和感に薬指を見る。 そこには・・・。 「何これーーーーー?」 そこには、一粒の可愛らしい透明な石を付けた銀色のリング。 答えを求めて護君を見る。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加