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「………で、咲良くんはどうするのかな?」
「………何がだ?」
「何って、決まってるじゃない。夕方のあの女子高生の愛の告白………受けるんでしょ?」
時は平成二十四年、現代。
季節は未だ桜の美しい三月の下旬。
愛知県日進市のとある喫茶店に彼はいた。
年齢は二十四、百八十程の高い身長にどっちかと言うと痩せ形の身体。
髪は本人曰く「別に切る必要もない」との事で肩甲骨辺りまで伸びている。
そして顔だが、彫りが深くよく調っている。
所謂美形……なのだが、その性格を表しているのか目は切れ長でとても冷たい印象を受ける。
そんな彼、【春乃咲良(はるのさくら)】は自身の住むアパートから百メートル程しか離れていない喫茶店【みつばち】の唯一の従業員だ。
「アホか。受けるわけないだろうが。条例違反なんかで捕まったら洒落にならんだろうが」
そして彼が堂々と『アホ』と罵っているのは、【みつばち】の店長である【天野美月(あまのみつき)】、永遠の十七歳(実年齢二十七歳)だ。
戯れに買った六億円宝くじの一等が見事当選し、道楽で始めた喫茶店だ。
「でもぉー、勿体無いんじゃない?あの子可愛かったし」
「関係ない。俺はガキは嫌いなんだ」
「んー……て事は、咲良くんはこの美月おねーさんの魅力にノックダウン!他の子が目に入らないってわけね」
「アンタ、頭大丈夫か?」
美月は確かに美人だ。
髪は基本的には結っているが、それなりに長く、スタイルもよく胸も人に軽く自慢出来る程には大きい。
………が如何せん何を考えているのかわからない節が多々ある。
「それ以前に、まだ営業時間中だ、無駄口叩くな」
「だーいじょうぶよ。お客さんいないもの」
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