目覚め

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岩にヒビが入るような鳴き声。 灰色の甲殻。 ちょっと小太り。 岩竜バサルモス。 鎧竜グラビモスの幼体である。 幼体と言ってもその甲殻は硬く生半可な武器では歯が立たない。 それに毒をまく上にちゃんと火炎も吐く。 「バサルか。」 「父さん!!あんなん速攻で倒しちゃおうよ!!」 そう言いォレはアギトをバサルモスの羽に切りつけた。 ズシャッッ!! バサルモスの羽から派手に血が飛び散る。 しかし次の瞬間。 グァォォォ!! バサルモスは体から毒ガスをまいた。 「うわぁ!!」 毒が効いているせいか体が思うように動けない。 そうしているうちにバサルモスはォレに狙いを定め突進してきた。 「ユウ!!少し我慢してろよ!!!」 そう言ってバロンは大剣“角竜剣ターリアラート”を横に振った。 ギャオッッ!! その振りはバサルモスも腹に当たり腹の甲殻がはがれた。 「終わりだぁ!!!!!」 そのまま角竜剣をバサルモスの頭に切りつけた。 グジャァ!!!! 頭が2つに割れたバサルモスは血や脳を出しながらその場に倒れた。 やっぱり父さんは凄い……そして強い。 「フゥ…。念のために解毒薬を持ってきて良かった。」 「うぅ……。」 「飲めるか?」 「ぅん…。」 ユウは解毒薬を飲んだ。 数分後……… 「父さん!!もう大丈夫だよ!!」 「良かった…。でも、いつも一人で突っ走るなと言ってあるだろ!!」 「幼体だし、勝てると思ったんだよ(汗)」 「幼体とは言え相手はグラビモスの子供だ。そのアギトで羽以外を切っていたら全く歯が立たなかったろ。」 「ゴメンなさい…。」 「まぁ過ぎたことはもう気にしないさ。そろそろテオ・テスカトルを探しに行こう。」 そしてォレと父さんは火山の奥へと進んだ。image=69976778.jpg
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