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チクタク、チクタク……
15分
チクタクチクタク………
1時間
チクタクチクタク…………
3時間
どんなに待っても、幽也は俺の元に来なかった
電話をかけても繋がらず
――嫌な予感がする
1人、部屋の隅っこに体育座り
「…………ゆう、や?」
俺は、朝が来るまで幽也を待ち続けた
不安で、不安で…………
今すぐ幽也の声を聞かなければ、壊れてしまいそう
――会いたい
いつもより30分も早く家を出た
――会いたい
息を切らして、いつもの通学路を走る
――会いたい
いつも幽也が居るあの正門
――会いたい
「――――っ、なんで……なんで……居ない、んだよ」
何かが崩れる音がした
いつもの忠犬姿が無く、背中が異様に冷たく感じた
熱が出て欠席なのかも知れない
突然、急用が入ったのかも知れない
……違う、そうであって欲しい
予測じゃなくて、これは希望
ものすごく、嫌な感じがして……
校内の階段を駆け上る
幽也の教室の前に立ったとき
叫び声、悲鳴…………そして泣き声
「――っ、」
気づけば人だかりを押し退けて、幽也の机の前に立っていた
周りの視線なんて感じない
只、脳内が真っ白になった
「……ウソ、だ…」
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