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―――
――
温かい……ここは、どこだろう?
そうだ、幽也を迎えに行かないと……
幽也は、俺が居ないとダメなんだ……
俺も、幽也が居ないとダメなんだ……
何かに引かれるように、足を進める
心臓が高鳴り、頬が高揚する
微かに漂う華の香りが俺を幽也の元へ導いてくれる
――あぁ、早く会いたい
目の前の扉を開くと、綺麗な庭園
そして中央のベンチに座っているのは
「……っ、幽也」
霧のせいで顔は良く見えないが、確かに幽也だった
捜したよ、幽也……
怖い夢を見たんだ、
幽也の居ない世界で一人残される夢
もう、怖くて悲しくて……どうにかなりそうだったよ
ねぇ、今すぐ抱き締めてもいい……?
別に、変なモノは食べてないよ
只……決めてたんだ、次に幽也と会ったらもっと甘えてみようって
恥ずかしいけど、イヤじゃなかったんだよ?
幽也が『好き』って言ってくれる度に、『俺も!!』って心のなかで叫んでた
でも、口にするのって難しいんだな……
俺も幽也を見習わないと
だから、今度は俺から幽也を抱き締めて……
あの日みたいに恋人繋ぎをして
キスして……
『愛してる』って伝えてもいい?
幽也の前に立ったとき、なぜか幽也は口を開かなくって
只、優しく笑ってた
なのに、どこか悲しそうで……
俺は不安になって、幽也をそっと抱き締めた
「俺さ……幽也が居ないと生きてけない」
恥ずかしいけど恋人繋ぎをした
「……幽也が愛し過ぎて苦しい」
壊れたダムのように、幽也への想いが溢れ出す
「……俺は、」
触れるだけのキスをして
「永久に幽也を想い、愛することを誓います」
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