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風が頬を掠める
君と初めて出会った場所で……
君を想いながら消えることが出来るなら……
ねぇ、幽也?
――俺に愛することを教えてくれてありがとう
君に出会えて幸せでした……
靴を脱ぎ、フェンスを越えて……
遠くに見える地面を静かに見つめた
だけど、すぐに視界は霞んで何も見えなくなった
「……幽也、愛してる」
俺は想う……君をずっと
君が想う……俺もおなじ
君と出会えた日のように空は晴れ
君に抱きしめられているような感触を感じるんだ
待っててね、すぐに逝くよ
「サソリ座の俺が
オリオン座の幽也の元へ辿り着こう
物語を完結しよう」
踏み出した一歩は重力に引かれる
「秋吉……愛してる」
そのとき確かに聞こえたんだ
俺も、だよ……幽也っ
愛しい人の声が……
「「愛してる」」
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