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「はあ……今回、特務探偵がいるんですのね。特務探偵には嫌な思い出しかありませんの」
ななかがため息をつく。
「そうなんですか?」
しれっと答える羽鳥に、ななかが声を荒げて言う。
「忘れましたの!?あいつですの!NO.9のふんどし野郎ですの!」
「ああ、いましたね、そんな人。あれは素晴らしく豪快でしたね」
淡々と答える羽鳥に、ななかが更に声を荒げる。
「そういう問題じゃありませんの!あんな汚らわしい物を見せつけられて、私のガラスで出来た乙女のハートは粉々ですの!あの光景が脳裏に焼き付いて離れませんの!今でも時々夢に見ますの!」
ななかが一気にまくし立てる。
「余程愛してらっしゃるんですね。その方の事」
羽鳥が優しく笑いながら言う。
「そんな訳ありませんの!お前、何を聞いてましたの!?」
「何も?」
「…………」
また車内に沈黙が流れた。
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