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「赤原、本当にあの探偵と協力するつもりなのか?」
雨宮が去った式場に、銀髪の青年が現れる。
肩までかかる豊かな銀髪に190はあるであろう長身。そして一際目を引く大きな黒のサングラス。
体は細身であるものの、物凄い威圧感を持つこの男。
彼こそが赤原騎士の助手、灰野星人(はいやせいと)だった。
「ああ、何か問題でもあるかな?」
赤原が灰野に向き直り、言う。
「俺は反対だ。あのようなおちゃらけた輩が役に立つはずがない。いつも通り俺達だけでやるべきだ」
灰野が静かに言い放つ。
「灰野、役に立つ立たないの話をしていた訳では無い。私は、彼と共同で事件を解決しようと言ってるのだよ?」
赤原が諭すように言う。
「……おいおい。それはあいつと俺達が対等だと言うことか?馬鹿馬鹿しいにも程がある」
灰野があからさまにため息をつき、更に言葉を続ける。
「簡単なショーすらまともに出来ん男に、どれほどの関係だったか知らんが人が一人死んだだけで平常心を失うすかしたガキ。そんな奴等がまともに事件を解決できる訳が無い。あんなのと対等だなんて俺はゴメンだね」
「灰野、言葉が過ぎるぞ」
キッと灰野を睨む赤原。
「探偵ってのは一人でも足手まといがいるとそれだけで全員が危険に晒される仕事だ。お前があいつらと一緒にやるというのなら、悪いが俺は今回手を引かせてもらう。巻き添えを食うのはゴメンなんでね、じゃあな」
そう言い放つと、灰野は一人闇に消えていった。
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