prologue

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「光輝君申し訳ないとか思ってるでしょ?光輝君ってすぐに顔に出るからわかりやすいよ」 「そんなにすぐに顔に出てますか?」 「出てるよ。光輝君は優しいから麗ちゃん以外の女の子と仲がいいみたいだけど麗ちゃんのことを一番に考えないとダメだよ。そうしないと麗ちゃんに嫌われちゃうぞ」 麗に嫌われる。それだけは想像がつかないし、これから先そうなってほしくはない。 でも些細なことで喧嘩したらありえる話だ。そう思うと麗がオレに不満がないのかが気になってくる。 「今度は麗ちゃんが光輝君をどう思っているかで不安になっているのね。そんなに心配しなくても麗ちゃんはちゃんと光輝君のことが好きだから安心しなさい」 「でもいつ嫌われるかもわかりませんよ」 「光輝君が真面目に生きていれば大丈夫。麗ちゃんはそんな光輝君から離れていくような人じゃないから。あと言えることは麗ちゃんの前ではシャキッとしてなさい」 桜ちゃんはそれだけ言うと印刷機と壁との間にある隙間にしゃがみこんだ。いったい何がしたいのかがわからない。
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