prologue

23/31

458人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
桜ちゃんが隠れると同時に麗と美琴さんが印刷室の中に入ってきた。まだ着替えてないから休憩中か用事があって途中で抜け出してきたのだろう。 「桜ちゃん見なかった?」 麗の質問にどう答えようかと悩みながら桜ちゃんの方を向いてみると桜ちゃんは首を横に振っている。ということはいないと言わないといけないのだろう。 桜ちゃんが隠れる程の用件っていったいどんなものなのかが気になるがとりあえずここはなんとかやりすごすか。 「ここには来てな「さっきまでここにいたわね。先生が使ってる香水の匂いがするわ」 美琴さんのいきなりの発言にオレは驚いてしまった。まさか香水だけでここにいるのかがわかるなんて鼻が良すぎるだろ。 とりあえず誤魔化しておくしかないな。 「桜ちゃんならさっきまでここで作業してましたよ。入れ違いになったみたいですね。ちょっとだけ休憩してるんじゃないんですか?」 「確かにずっと動いてるのもなかなか疲れるわね。理事長が先生を捜してくるようにって言われたから早めに来たのに残念だわ」 美琴さんごめんなさい。桜ちゃんなら近くにいます。そしてこの話も聞いてますから。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

458人が本棚に入れています
本棚に追加