物語 - 3章 - の続き

4/20
205人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
 あの2人組に辿りつくために、色々な可能性を踏まえた推測をし、その中から冷静に判断した結果に基づいて動き、ここまで来たつもりでいた。  しかしそれは根底から覆されることになった。  まずドリームカンパニーの木暮を追った結果、直ぐに2人組に辿りついたことを幸運だと思った。  そして阿久沢組のビルから出てくる亜沙美を見て、何とかして偶然のことと捉えようとした。  まるで亜沙美を庇うかのように、懸命に偶然の理由を探した。  しかしその思いは、決定的な情景を見せつけられたことで打ち砕かれた。  亜沙美とあの2人組は直結していた。  事件の元凶に亜沙美がいたのだ。  亜沙美――2人組――木暮、というひとかたまりの構図が元から存在したのだ。  あたしが今日目にしたものは、幸運や偶然がもたらしたものではなく、必然的な事実だった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!