激闘! ブラール・ハインケル

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  「まあいいや。ねえ、リース知らない? さっきまであそこで一人大食い大会やってたんだけど……」 レイムが、食べかけの弁当箱が置かれた空席を指差して言う。 「ああ、そういえば何か近寄りがたい雰囲気で飯食ってたよな」 アルの言葉に、レイムが大きくため息をついてボソッと呟いた。 「……誰のせいだと思ってんのよ。あの子もあの子なら、こいつもこいつね……」 「ん? 何か言ったか?」 「いーえ、何もー?」 わざとらしく首を振った後、レイムが話を再開する。 「いつの間にか居なくなってるのに気付いてから、もう10分くらい経つのよ。食べ過ぎてトイレでも行ってるのかと思って見に行ったんだけどいなかったし……。ちょっと心配なのよねー」 少し不安そうな表情で、レイムが腕を組んだ。 「まあ、あいつに限って心配は無いと思うけどな。分かった。ちょうど飯も食い終わったことだし、ちょっくら探してくるよ」 「あ、そういう事なら私も行くー♪」 緩慢な動作で立ち上がったアルに続き、シェリスも立ち上がる。 「助かるわ。私は校舎内を探して見るから、アル君達は外をお願いしていい?」 レイムの言葉に頷くと、アルとシェリスはゆっくり廊下へ歩を進めた。  
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