激闘! ブラール・ハインケル

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  「まさか本当に倉庫にいるなんてな……」 アルが小さく呟きながら、シェリスの後に付いて倉庫に入る。 その瞳には確かな怒りの色が浮かんでいた。 「ブラール、リースはどこだ? 無事なのか?」 未だに状況を把握しきれていないブラールに、アルが静かな、しかし確かに怒気の込もった口調で問いかける。 「あ……ああ。リース君ならここにいるよ」 ようやく我に帰ったブラールが、マットに横たえられたリースをアルに指し示す。 そこに目をやったアルが、乱暴に着衣を乱されているリースの姿に激昂した。 「な……てめえ! リースに何をした!」 「今はまだ何もしていないさ、安心したまえ。もっとも、これから先のことは責任持てないがね」 その言葉を合図に、扉の下敷きになった一人を除く二人の男子生徒が、アル達の前に立ちはだかる。 「どんな小細工を使ってこの扉を破壊したのかは知らないが、しょせんは一介の使い魔に落ちこぼれ。全く恐れることはない。お前達、始末しておけ」 男子生徒に指示を出すと、ブラールはリースを抱え、倉庫の奥にある窓を開けた。 「ここは邪魔が入ったからね。僕は移動するよ!」 そう言ってブラールは窓からヒラリと倉庫を脱出した。 「しまった! シェリス、こっちは頼む!!」 「らじゃ♪ 終わったら私も行くね!」 アル達を妨害せんとする生徒二人をシェリスに任せ、アルは単身ブラールを追うのだった。  
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