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「はっ……これは奸計か! その手には乗らないぜ! お前、アルの差し金か!?」
当初の目的を思い出したハルが、慌ててシェリスから身を離す。
それに対して、シェリスは大きなため息で返した。
「なーんで君に対して奸計やら差し金が必要なのよ。私はアルの妻よ。君のお姉ちゃんが来てくれちゃったせいで、私はすっかり除け者にされて堪らないのよ」
シェリスの言葉に、ハルが大きく反応する。
「つ、妻!? アルの奴、こんな美人の奥さんがいて、姉ちゃんにまで手をだす気かよ……!」
「きゃー♪ ありがとう! ね、酷いわよね。だから私も、君と浮気しちゃおうかな、なーんて……」
妖しい瞳で見つめるシェリスの姿に、ハルが赤面する。
「あははっ! 冗談よ冗談! 君があんまり可愛いからつい、ね」
その言葉に、今度はハルがムッとした表情を浮かべる。
彼にもプライドがあるのだろう、気付くとハルは、先ほどシェリスから感じた恐怖も忘れ、その身体に掴みかかり、その豊満な胸をわし掴みにしていた。
「あっ……!」
「ば、馬鹿にすんな! 男をからかったら痛い目見るぞ!」
ハルがシェリスを睨み付けて言う。
当のシェリスは、未だ余裕の笑みを浮かべていた。
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