ときめいて、ハル

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  「いやん。ハル君、激しいのねぇ……。こういうの嫌いじゃ無いわよ? でも……」 ずずいっと、シェリスがハルの目の前に顔を近づける。 ちょこんと覗いた八重歯がキラリと光った。 「……あんまりナメないで貰えるかな? 私を屈服させようなんて、10年早いわよ」 「いっ……!」 笑顔の消えた瞳から放たれた圧倒的な冷たさに、ハルの背筋が凍りつく。 口ごもって何も言えないハルに対して、シェリスがふっと表情を綻ばせた。 「お姉ちゃんが心配なのは良く分かったけど、子供はとっととお家に帰りなさい? 本物の侵入者に出会ったら、殺されてたかもよ?」 諭すようなシェリスの言葉に、ハルがブスッとした表情で俯いた。 「大丈夫大丈夫♪ 私だって君のお姉ちゃんには、さっさと帰って欲しいんだから。何とかして追い返すから期待して待ってなさい」 「う……うん」 まだ煮え切らないハルを見て、シェリスがにんまり笑いながら浴槽を出る。 「一応、外はもう暗いしね。家まで送ってあげる」 シェリスが瞬時にゴシックドレスを纏い、ハルを誘う。 「こ、子供扱いすんなよ! 一人で帰れるってばよ!」 「はいはい。いいからいいから。じゃ、行くわよ。ハル君の家は知ってるから安心してね」 「えっ? うわあああ!」 喚くハルを捕まえて、シェリスが窓から飛び立つ。 星が瞬く夜空に、ハルの悲鳴が響き渡った。  
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