魅惑の斬首姫・キャミィ

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  「キャミスール・ハインケル、11歳。ブラールの妹よ」 「やっぱり……」 教室にて、レイムから得た情報に、アルはがっくりとうなだれた。 「今までは学園の代表として、何かのイベントで遠征してたらしいわ。今日の早朝にようやく帰ってきたんだって。帰ってきて早々、変態ロリコンのアル君に襲われたなんて災難よね」 「……からかうなよ。俺も責任感じてんだからよ」 レイムの毒舌に、アルがため息混じりで返す。 横ではリースとシェリスが、アルをジト目で見つめていた。 「ま、なんにせよアル君。この子を怒らせちゃったなら、気を付けた方がいいわよ」 ふと、レイムが表情を真剣なものに変えて、語りだす。 「……どういう意味だ?」 問い返すアルに、レイムが一つ息を吐いて、淡々と紡ぎ出した。 「アル君てさ、腐っても貴族なんだよね?」 「ああ、腐っても、な」 自嘲気味に笑うアルに対して、レイムは真剣な表情を崩さぬまま、その単語を口にした。 「だったらさ、〝貴族狩り〟って聞いたことある?」  
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