魅惑の斬首姫・キャミィ

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  「……貴族狩り。ああ、庶民から恨まれてる貴族を殺して報酬を得るとかいう殺し屋のことか」 「そうよ。貴族って、大勢の庶民から恨みを買ってるのも多いから、結構な報酬になるって話ね」 「てか、それがどうしたんだよ。貴族狩りの存在自体は誰だって知ってる話じゃねえか」 悪態を吐くアルに、レイムが真剣な瞳で話を続ける。リースとシェリスも、いつの間にやら話に聞き入っていた。 「まあこれも結構有名な事件なんだけどね。五年くらい前かしら。まだ幼いあの子を狙った貴族狩りが居たのよ。まあしっかり組織とかで統率されてない、貴族狩りの中でもチンピラみたいな奴等だったんだけどね」 「奴等って……複数だったのか? 小さい子供一人に……」 アルの言葉に、レイムが小さく頷いた。 「そ。まだ5歳だか6歳だかの女の子を、大の大人が4~5人で取り囲んで殺そうとしたのよ。ハインケル家は買ってる恨みも大きいから、それでも多額の報酬が貰えたんでしょうね」 そこまで聞いて、アルの脳裏にブラールの言葉がフラッシュバックした。 『貴族という立場は、時に自身を貫く刃になる』 これは、今までのこうした経験から放たれた言葉だったのだ。 だが、だからと言って、それがリースに危害を加えた理由になるわけではない。 やはり、ブラールが正しいとはアルには思えなかった。 そう、正しいはずは無いのだが、思い当たったその言葉は、何故かしこりのようにアルの胸に引っかかったまま、しばらく消えてくれそうには無かった。  
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