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「でも、最近のアルは私なんかよりシェリスの方を……」
「そんなことないよ、リースちゃん!」
「キミはやればできる子だよリースちゃん!」
「大丈夫! 胸なんかただの飾りだよ!」
不安がるリースを一斉に慰めるぬいぐるみ達。
とんだ茶番劇だが、リースの表情には笑顔が浮かび始めていた。
「とんかつ、あいあい さーろいん、みんなありがとう!」
リースがぬいぐるみ達をギュッと抱き締める。
「まだ私自身、自分の気持ちも良く分からないけど……。こ、このままずっと、私のこと女としてすら見てもらえないんじゃ……く、悔しいからね! せめて、シェリスにデレデレしてるアルに、私だって女の子なんだぞってこと教えてやるんだから!」
なにやら自分に言い訳をしながら、リースが自分のカバンを漁る。
やがてリースが取り出したのは、表紙に〝男をオトす誘惑の仕方(貧乳編)〟と、書かれた一冊の本だった。
ちなみに、著者はレイムとなっている。
「レイムの奴、貧乳編ってなによ……。私だって少しは……」
ブツブツ言いながらも、真剣な表情でページをめくるリース。
やがてリースの目に、一際大きいカラフルな文字が飛び込んできた。
〝ノーブラキャミで悩ましく彼の隣へ! さりげなく胸元のピンクを覗かせてあげれば、たまらず彼はフォーリンラブ!〟
「できるかあああああ!」
リースの叫びが、ささみのトサカを揺らした。
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