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「いや、本当暑い暑い! 隣に座っていいカシラー!」
リースがまるで油の切れた人形のような動きで、ギクシャクとアルの隣に座る。
「ちょ……っ! お前その恰好!」
しかし、そんなリースの服装に、アルが慌てたような声をあげた。
それもそのはず、リースは白地にピンクの水玉がついたキャミソールと、同じ柄のショートパンツ(ルームウェア)という、アルには些か目のやり場に困る恰好をしていたのである。
なんだかんだ言って、リースはしっかりレイムの本を参考にしているのであった。
「だ、だって暑いんだもん! 普段の部屋着なんだから、いいでしょ!」
そう言って、リースが上目遣いでアルの顔を覗き込む。
女性に免疫の無い男にとって、女性の部屋着というものがどれほど強大な攻撃力を持っているのか、リースは知らなかった。
「と、とにかく! 少し離れろ! それと、下から覗くな!」
「な、なんでよ!」
チラリと隙間の空いた胸元から、アルが慌てて目を逸らす。
レイムの教えは、見事にアルのツボを突いたようだった。
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