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「カイン、お待たせ」
「おう」
ヘアターバンを頭に巻き、バスローブを羽織って、レイムが脱衣所を出る。
ベッドでは、カインがTシャツにスウェットのズボンといったラフな格好で、本を読んでいた。
「なーに読んでるのよ?」
やけに集中している様子のカインを見て、レイムがさりげなく隣に座って覗き込む。
「まーた貴族が没落していく系の本? 好きよね、アンタ」
「……まあな」
カインの腕をキュッと掴んで寄り添うレイムに軽く返事を返すと、カインは読んでいた本を乱雑に放り、レイムの肩を抱き寄せた。
「カイン……」
レイムが、カインの瞳を見つめ、そして目を閉じる。
それに応えるように、カインはレイムに唇を重ねた。
「ん……っ!」
口付けたカインの舌とレイムの舌が、口内で激しく絡まりあう。
だが、もっぱら激しいキスを求めるように動くのはレイムの方で、カインはその求めに応じているだけに過ぎなかった。
事実、レイムの身体はみるみる上気し、はだけられたバスローブからは、僅かに汗が滴る豊満な胸が覗く。
何かを振り払うように求めてくるレイムに、カインは思わず唇を離し、その身体を抱き締めた。
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