舐め合い

3/8
前へ
/21ページ
次へ
  「カイン、お待たせ」 「おう」 ヘアターバンを頭に巻き、バスローブを羽織って、レイムが脱衣所を出る。 ベッドでは、カインがTシャツにスウェットのズボンといったラフな格好で、本を読んでいた。 「なーに読んでるのよ?」 やけに集中している様子のカインを見て、レイムがさりげなく隣に座って覗き込む。 「まーた貴族が没落していく系の本? 好きよね、アンタ」 「……まあな」 カインの腕をキュッと掴んで寄り添うレイムに軽く返事を返すと、カインは読んでいた本を乱雑に放り、レイムの肩を抱き寄せた。 「カイン……」 レイムが、カインの瞳を見つめ、そして目を閉じる。 それに応えるように、カインはレイムに唇を重ねた。 「ん……っ!」 口付けたカインの舌とレイムの舌が、口内で激しく絡まりあう。 だが、もっぱら激しいキスを求めるように動くのはレイムの方で、カインはその求めに応じているだけに過ぎなかった。 事実、レイムの身体はみるみる上気し、はだけられたバスローブからは、僅かに汗が滴る豊満な胸が覗く。 何かを振り払うように求めてくるレイムに、カインは思わず唇を離し、その身体を抱き締めた。  
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加