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「舐め合い……だったんだな」
「……へっ?」
カインが自嘲気味に放った言葉に、レイムが小さく反応する。
カインがレイムを誘ったのには、自分と同じく父親のことで悩んでいるレイムに妙な親近感を覚えたという理由もあった。
今思えば、ただお互いの傷を舐め合う相手が欲しかっただけだったのかも知れないと、カインは振り返る。
だが、今は違った。
目の前にいる寂しい少女を、小さな少女を、愛しい少女を、愛してやりたいと心から思えた。
「レイム……」
「あっ……」
カインがレイムを優しくベッドに横たえ、そのまま覆い被さり、優しい口付けをする。
額、頬、首筋、鎖骨、胸……
カインの唇が肌に触れるたび、レイムが微かに甘い声を漏らした。
「カイン……」
呼びかけるレイムの声に応じるように、カインはまた強く抱き締める。
レイムもしっかりと腕を絡めて、それに応えた。
「……すっごく幸せ」
「そりゃ光栄だな」
一言ずつのやり取りを終えると、二人は軽いキスをして、ゆっくりと身体を離した。
そして、無防備な状態でベッドに横たわったレイムのバスローブを、カインがゆっくりと取り払う。
目の前に、一糸纏わぬ美しい肢体が広がった。
「いくぞ、レイム」
「……うん」
はっきりとした言葉で放たれた返事を確認すると、カインがもう一度、レイムに唇を重ねる。
そして、幸せそうに目を細めるレイムにゆっくりと、その身体を重ねるのだった。
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