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「わー! すっごーい! 一騎当千ですねー!」
「――!?」
不意に、不気味なほどに楽しげな声が響き、ククリーが身構える。
死屍累々と横たわる男達の向こうで、血のように真っ赤なドレスを纏った少女が、笑いながら手を叩いていた。
「あれは魔族……!? 敵は召喚魔法まで使えるのですか……」
ククリーが体勢を整えながら呟く。
青い髪と発達途上の身体を持つ少女は、その背に魔族特有のコウモリのような羽根を携えていたのだった。
「こんな所で待たされるなんてつまらないなあって思ってたけど、案外楽しめそうね。フフッ」
「破ッ!」
ニイッと邪悪に口角を吊り上げる少女に、ククリーは間髪入れず金属球を投げつけた。
「あーら無粋。せっかくのパーティーだからおめかししてきたのに、もう少し余裕を持った方がいいんじゃないですかあっ?」
少女がニッコリ笑うと、不意に大地から巨大な真っ白い触手が現れ、金属球を弾く。
「なっ……!?」
あまりのことに、ククリーが戦慄した。
「そうそう。その表情最高っ♪ ご主人たまが来るまで、私とた~っぷり楽しみましょ♪ そこのお嬢様も一緒にねっ!」
少女の声に呼応し、大地から無数の触手が現れ、ククリーに向かって伸びていった。
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