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「で、他になにか反論はある?」
「うぐぐ……! と、ともかくだ! 庶民は下等で……」
「はい。反論になってない。今日も私の勝ちだね」
勝ち誇った顔でブラールを見つめるリリーに、悔しそうに歯噛みするブラール。
あの因縁の再会から一ヶ月。
あれからリリーとブラールは毎日のように顔を合わせ、お互いの主張について議論を交わしあっていた。
だが、怒りと偏見に任せたブラールの論はリリーには全く通じず、ブラールは毎日寝床でククリーに愚痴をこぼすのが日課となっていた。
「全く、ブーちゃんはいつになったら〝庶民の下等さ〟とやらについて私を納得させてくれるの? ねえ、ねえねえ」
「う、うるさい! それにその呼び方はやめろ! 馬鹿にされてるみたいで腹が立つ!」
「馬鹿にしてるんだけどー」
「貴様っ!」
「まあまあ、ブラール様」
激昂するブラールを、ククリーが優しく制する。
もはやこのやり取り自体が、彼等の日常となっていた。
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