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「造られた存在の癖にマスターに歯向かう愚か者め……死ねえっ!」
鎌を構えて疾駆するシェリスに、アルが雷の魔法で応戦する。
それをジグザグに動いてかわしながら、シェリスが一気にアルとの距離を詰めた。
「散りなさい!」
シェリスが叫び、振り上げた鎌をアルに向かって振り下ろす。
肉体には傷をつけず、憑依している存在のみを傷つけるその鎌の攻撃を、アルは後ろに飛び退いてかわした。
「お前程度の力で俺を倒そうなど、笑止千万! 目にもの見せてやる!」
アルが叫び、風の魔法を放つ。
それは幾つもの鋭利な刃となり、シェリスの服を切り裂いた。
「ちっ! 小者くさいセリフばっか叫んでる割には、やるじゃない!」
シェリスが瞬時に黒のゴシックドレスを纏い、もう一度、鎌を構える。
普通の魔法で応戦すればアルの身体を傷つけてしまうのだから、単調な攻撃ばかりになってしまうのは仕方の無いことだった。
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