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そうして迎えた次の日も、普段となんら変わること無く、四人は連れ立って遊んでいた。
前日、何やら神妙な面持ちでシェリスに保護者を依頼していたアルも、今は思い悩んでいるような素振りは少しも見せず、かくれんぼや砂遊びなど、子供らしい遊びに没頭していた。
しかし、彼らは知らなかった。
その楽しい時間に崩壊が近付いていることを。
必死で作り上げた砂の城が見知らぬ人間によって踏み潰されてしまうように、無力な子供が作り上げた絆など、一瞬で奪い去られてしまう脆いものなのだということを。
「ねえ、次は鬼ごっこしよ!」
砂場での遊びが一区切りついた頃、不意にリースが放った提案に、みんなが集まる。
いつものようにジャンケンをして鬼を決め、おいかけっこが始まるのだ。
「はい、アル君が鬼だよっ!」
「よし、すぐに捕まえてやるからな!」
鬼に選ばれたアルが、木陰で目を瞑り、カウントを始める。
そして十を数えると同時に目を開き、辺りを見回す。
獲物を探すその瞳は、すぐに背の低い眼鏡の少女を映し出した。
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