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「なるほど。つまり、アルフレッドがヘタレなばっかりに、何人もの女子の心を弄ぶ結果になっているのか」
「そうですの。しかもこの男は偶然を装って私を襲おうとしたんですのよ」
「ヘタレの上に欲望を制御できない……か。典型的な性犯罪者タイプだな。これは危険だ。早急に首を切り落とさねば」
「待て待て待てぇっ!」
リースになついてアルフレッド宅を訪れたキャミィも加わり、いよいよかしましくなった状況で、アルは未だに弁明を続けていた。
キッチンには、アルが作った卵焼きとライスとフルーツが並べられている。
まだ配膳を続けるアルを余所に、並んだ物からパクパクと食べ始めてしまっている面々に好き勝手言われているのだから、アルの苛立ちもひとしおだった。
「それにしても、何ですの? この卵焼きは。焼き加減がなってませんの。うちのシェフだったら……」
「文句言うなら食うな……ってか、お前の分は元々ねえよ! それ俺の分じゃねえかコラ!」
「うるさい。食事中に唾を飛ばすな。首を切り落とすぞ」
「アル、私は美味しいと思うよ! だからついでに私も美味しく食べ……」
「ちょっとシェリス!」
「ああもう! うるせえええええ!」
バイタリティー溢れまくる女四人の口撃に耐えきれなくなったアルが、威嚇の叫びをあげる。
その瞬間、玄関の扉が開き、カインが飛び込んできた。
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