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「うわああああ!」
自らの悲鳴を目覚ましに、アルは深い眠りから覚醒した。
辺りを見回せば、心配そうに自分を見つめるリースやキャミィの姿。
そして、メスと巨大な注射器を構えた、ナース服姿のシェリスだった。
「わああああん! 良かったあああ! 気がついたああ!」
「わっ! ちょ……あ、あぶな……」
鋭利な刃物を携えたまま、歓喜の声を上げて抱きついてくるシェリスに、アルは思わずたじろぐ。
傍らではリースが、アルの腕を掴んでぐしぐしと泣いていた。
「良かったあ。アル……三日間も寝てたんだよ!」
「なんだって!?」
リースの言葉に、アルが驚愕の声をあげる。
「あんまり起きないから、心配で心配で……。私とキャミィちゃんで手術をしてあげようと思ってたの」
「アッチョンブリケですの」
「良かったな。マジでオペする五秒前だったぞ」
「ひいいい……」
アイアンメイデンの言葉に、アルの顔面が蒼白になる。
しかし、それもつかの間、すぐさま真剣な顔へと戻り、リースの方へと向き直った。
「リース……すまない。俺はレイムを……カインを……」
悲痛そうに紡がれたアルの言葉に、リースは無言で首を振った。
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