倒れ行く仲間

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  『一つ、イールは明らかに以前戦ったときより魔力の最大値が下がってるわ。それも、大幅にね』 シェリスの言葉は、ククリーだけでなくアルとブラールにも伝えられる。 情報の共有。当然のことではあるが、この状況で敵に知られずに情報交換できるということは、アル達にとって大きなプラスであった。 『そしてもう一つ、イールはなぜか、氷の魔法に異常なほどにこだわってるわ。何がどうあっても私達を氷の魔法で倒したがっているような、そんな気がする……』 キャミィ、リースともに氷の魔法で決着をつけた時点で、シェリスの中で芽生え始めた疑問は、さきほどの攻撃で確信に変わった。 氷の魔法でとどめをさしたことで生じたタイムラグで、リースからの手痛い反撃を受けたにも関わらず、未だに攻撃に使うのは氷の魔法のみ。 その理由は分からない。 だが、それに気づけたのは大きな収穫だった。
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