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ダ「………クリジス先生!早く教室に行かなければ遅刻してしまいます。とりあえずカミイ先生をよろしくお願いしますよ。」
ト「本当ですね。分かりました。アキ行きますから着いてきてください。それじゃ失礼します。」
アキ「失礼しました。」
そう言って私達は校長室から出てセレナが居る教室に向かった。トキノから聞いた限りセレナは2ーSクラスらしい。クラス分けは実力だったり筆記だったりで決めるらしい。そう考えるとセレナは最高のレベルのクラスにいるのはビックリだ。だって魔力が無かったんだから。
ト「セレナは筆記は飛び抜けて良いし、実力だって接近戦闘に置いてはかなりの実力者だったんだからあまり驚く事でもないと思いますよ。」
そう言ってセレナの事をベタ褒めするトキノを見ていて思ったことがある。
アキ「何でトキノはそこまで高評価をセレナに上げるんですか?言っては悪いですけど、魔盲は魔法が使えないので伸びしろはあまり無い筈です。なのになんでです?」
ト「それは簡単ですよ。それはあの子が一番頑張っていろんなことを取り組んでいたのを私は知っているからです。私は魔盲である子をいろいろ在学中も見てきましたけど、あれほど頑張る事が出来る魔盲は居なかった。だからですかね。」
アキ「なら、セレナが魔盲で無くなったのは知ってますか?魔法が使える様になったらその高評価は消えますか?」
私が言ったことに首を横に振った。そして私の質問に教室に向かいながら答えてくれる。
ト「私は今までの努力を見て頑張って欲しいと願ってきたんです。だから、例え魔法が出せるようになっても努力をするのならあの子は本当に強くなると思います。」
トキノは本当に良い先生だった。私が考えていたよりもずっと生徒の事を考え、魔盲だろうと努力を評価し、実力があれば魔盲だろうと褒める。これは差別社会でするのは本当に難しい事だと思う。
そんな事を考えていると私がこれから副担任として赴任する2-Sクラスについた。
ト「私が入ってきてくれっていったら入ってきてください。」
アキ「何だか転校生みたいですね。」
ト「まぁ実質転校生と変わらないでしょうね。とりあえずよろしくお願いしますよ。」
と言って中に入っていった。
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