第二章

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「ここが図書室で、向かいにあるのが保健室です。この廊下をずっと進むと体育館に出ます。」 ただ校長室に案内するのもなんだったので、通り道にある施設だけは紹介しておいた。胡蝶さんはあまり興味がなさそうだ。 しかし、ある場所で彼女は立ち止まった。 「……ここは?」 「あぁ…。そこは“開かずの間”とされてます。何の為にこの部屋があって、何で開かずなのか。それは誰も知らないんです。」 私はこの部屋の前を通るのが嫌いだ。何となく禍々しいモノを感じる。 「君は知らないのか?時逆の一族なんだろう?」 一族、と言ったことに少し違和感を覚えた。 それはまるで私を時逆の者ではないと嘲っているようだった。 「すいません…。あ、でも確かこの部屋にまつわる噂話は聞いたことあります。七不思議の1つかな。」 「ほう。それはどんな話だ?」 「はい、確か…」 私は胡蝶さんに七不思議の1つを話した。
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