第二章

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「君は誰だ?」 突然現れた彼女は私にそう問いかけた。 なぜだろうか。初めて見た人なのに、とても懐かしく感じる。 「私は、時逆 光助と言います。」 特に隠す必要もないので名乗る。 「!!時逆…。」 彼女の顔が一瞬だけ暗くなった気がした。 「あの…。どうかなさいましたか?」 彼女は何か考え込んでしまっていて少し不安になり、声を掛けた。 「いや、気にするな。僕は………胡蝶だ。」 「コチョウ…?」 「胡椒の胡に蝶々の蝶で胡蝶だ。胡蝶の夢というのから来ている。……あぁ、ちなみに胡蝶の夢と言うのは現実と夢の区別がつかないと言う意味でつまり僕は寝惚けた人という事だ。」 …胡蝶さんはどうやら物知りでお喋りらしい。 しかもしゃべり方が一昔の上司っぽい。 私は黙っていれば美女の意味を分かった様な気がした。
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