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どうやらこれは夢ではない。意識として「現実感」がハッキリとしているし、頬をツネったり髪を引っ張ったりすると、相当の痛みがある。
円形室内の中央。
俺は仰向けに寝てモヤのかかった天を見上げていた。
こうやっていれば、いずれ誰か来るだろうと思っているのだが、誰もやって来なかったらどうしよう。このまま飢え死にか?
それはゼッタイに嫌だ。一度も女の子と付き合ったことないまま死ぬなんて、そんなの耐えられない。何のためにこの世に生まれてきたのか……。
子孫を残すという人間の宿命を果たせないまま枯れ果てるとは、自分の運の悪さが憎たらしい。
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