二月十四日

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(暇に見えるかもしれないけど、わたしは十分だな) 一時間もいなかったのに、早くも暗くなり始めた帰り道。 背の半ばまである黒髪を揺らしながら、みつるはそう結論付けた。 小柄な身長に、長い髪――そんな彼女の『みつる』と言う名前は、男の子のようだと言われる事がある。
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